世界的に猛威を奮っている新型コロナウイルス(COVID-19)ですが、韓国も危機的な状況に陥っており、安全な状況ではありません。
私は事情があって韓国に滞在していますが、感染者や死者が増える度に不安を感じられずにはいられません。
また、友人や知り合いからは以下のような声が寄せられています。
- 今の状況で韓国旅行に行っても大丈夫?
- どうしても渡韓しなきゃいけないので、現地の状況を教えてほしい!
- 韓国旅行はキャンセルした方がいい?
それに対して私は「2020年3月3日時点では、韓国旅行は控えましょう!」と答えています。
というのも、韓国では新型コロナウイルスの感染者数が急増しており、とてもじゃないけど安心して旅行できる状況ではないからです。
そこで今回は韓国旅行を控えるべき理由と現地の詳しい状況を写真付きでお伝えします。
また、記事の後半では新型コロナウイルス関連の情報サイトもあわせてご紹介しています。
新型コロナウイルスが流行中の今、韓国旅行は控えるべき!その理由は?
最初にお伝えした通り、2020年3月3日時点での韓国旅行は控えた方がよいです。
まずは、韓国での新型コロナウイルス感染者の発生状況を見てください。
感染者数(全体) | 4,812名 |
---|---|
回復者数 | 34名 |
死者 | 28名 |
検査した人数 | 35,555名 |
参照:코로나바이러스감염증-19(コロナウイルス感染症-19)
2月上旬は30名程度しか感染者はいませんでしたが、2月中旬からは一気に感染が拡大。
その後、韓国政府は警戒レベルを『深刻』にまで引き上げる事態となっています。
このような状況を考慮すると、韓国旅行は控えるべきだと思います。
【写真付き】日本の空港の様子と渡韓後の状況を解説
この章では、日本の空港〜韓国に入国した後の様子まで詳しく解説します。
- 出発前の日本の空港の様子(2020年2月11日時点)
- 仁川国際空港の様子(2020年2月11日、2月23日時点)
- ソウルの状況
- 地下鉄やバスなど公共交通機関の様子
これらを順を追って解説していきますね。
出発前の福岡空港の様子
正直、日本にはあまり関係のない話だと思っていましたが、福岡国際空港では新型コロナウイルスの影響を実感させられました。
私は福岡国際空港を30回以上利用していますが、明らかに人が少なく休業してるのでは?と心配したくらいです。
いつもは多くの人で賑わう搭乗待合室や免税店、お土産屋にもほぼ人はいませんでした。
ワクワク感を味わえない空港はどこか寂しいものです…
また、搭乗手続きの際には「過去14日以内に中国へ行ったことはありますか?」と口頭での確認もありました。
過去14日以内に中国の湖北省を訪問している場合、韓国への入国はできないとのこと。
(韓国人は入国可能です)
その後のボディーチェックや出国審査は通常対応でしたが、いつもの福岡空港とはどこか違った雰囲気がありました。
空港ロビーは閑散としておりましたが、ソウル行きの飛行機は満席に近い状態。
搭乗客の半数以上は日本人で、少しホッとしました。
到着後の仁川国際空港の様子
韓国の仁川国際空港も閑散としており、いつも長蛇の列が出来る入国審査場には、10名ほどしか並んでおりませんでした。
待ち時間のストレスがない一方で、新型コロナウイルスに対する不安は大きくなりました。
検疫所付近には50人前後の行列ができており、『FROM CHINA』とかかれたサインボードが設置されていました。
新型コロナウイルスの感染対策により中国から来た全ての人が検疫の対象になっていました。
(3月3日時点)
仁川国際空港では、いたるところに消毒液が設置されており、防疫担当者が24時間体制で消毒しながら巡回していました。
福岡空港よりも、予防対策に力が入っているように感じました。
2月23日にも仁川国際空港を訪れたので、その際に気づいた点もお伝えします。
搭乗手続きカウンター付近には、マスクと手指消毒剤の所持数を申告する場所が設けられていました。
空港職員に理由を聞いてみると、マスクや手指消毒剤を国外へ大量に持ち出すことを禁止しているとのことです。
詳しくはこちらの記事を参照してください。
参照:韓国出国時、マスクの持ち出しに注意
消毒剤を購入した場合、機内持ち込み用の袋に入れてくれるので安心ですよ!
ソウルの状況
2月13日に阿峴、2月16日に新道林へ出かけましたが、すれ違う人の半数以上がマスクを着用しており、観光客はほとんど見当たりませんでした。
ソウルの飲食店やスーパーには消毒液が設置されており、百貨店などの大型施設には赤外線カメラが導入されていました。
幸い平熱だったため、事なきを得たのですが、37.5度以上の場合は入店を拒否されるところでした。
(店舗によってルールは異なるかもしれません。)
公共交通機関の様子
公共交通機関の様子もいつもと違っていました。
- 乗客がいつもより少ない
- 手すりやつり革を触らないようにしている人が多い
- 地下鉄構内やバス内にコロナウイルスの予防のポスターが貼られている
- コロナウイルスの予防を呼びかけるアナウンスが何度も流れている
- バスの入り口に消毒液が設置されている(全てのバスとは限りません)
バスや地下鉄で感じた変化は、新型コロナウイルスへの危機感をより大きくしました。
韓国の新型コロナウイルスに関するQ&A
この章では、私の元に届いた質問に対し、わかる範囲で答えていきます。
日本人は韓国で入国拒否されるって本当?
2月11日に渡韓した際は入国拒否されなかったです。
参考までに、韓国の入国制限に関する情報を添付します。
湖北省発行旅券所持者または入国日基準で14日以内湖北省を滞在したことがある全ての外国人の入国不可(2月4日00時基準)
※大韓民国への入国時注意事項
中国から入国時、韓国国内の電話番号確認強化
(通信通話が可能な個人携帯電話未所持の場合、入国が制限される。)
中国から入国の際『モバイル自己診断アプリ』を必ずインストールして14日間、健康状態入力必要(2/12付)
インストール URL : http://ncov.mohw.go.kr/selfcheck/新型コロナウイルス感染症(COVID-19)発生国からの入国時、発熱/呼吸器症状がある場合には機内で健康状態質問書を作成および入国時に検疫官に申告してください。(発生国の現状 – http://ncov.mohw.go.kr/index_main.jsp)
※ 大韓民国法務部追加処置事項
中国から出発時:中国国籍および ‘大韓民国への入国にビザが必要な国籍’は無査証(ビザ無し)で大韓民国での乗り継ぎ不可(2月17日付)
横浜停泊のクルーズ船(ダイヤモンド・プリンセス号)の下船者(乗船者および乗務員)入国不可 (2月19日付)
出典元:アシアナ航空公式サイト
上記に該当する人は入国拒否の可能性があるので注意してください。
随時、航空会社や旅行代理店のホームページを確認することをおすすめします。
日本人は現地で差別されない?
日本人という理由で差別的な発言をされたことは一切ありません。
しかし、友人の知り合いの日本人女性は、外国人だという理由でタクシーの乗車を拒否されたそうです。
また、タクシーだけでなく、外国人の入店を制限している店舗も実際にあります。
韓国旅行中、コロナウイルスに感染した疑いがある場合はどうすればよい?
当たり前ですが、自分で判断せずに、『最寄りの保健所』や『疾病管理本部コールセンター』へ相談しましょう。
詳しくは以下をご覧ください。
海外渡航後にせきや発熱の症状があった場合,最寄りの保健所もしくは疾病管理本部コールセンター(1339:韓国語)にお問合せいただき,案内にしたがってください。病院では海外渡航歴を伝えてください。また外国人総合案内センター(1345)では,日本語の三者通訳を介した相談を受けることができます。日本語でのサービスを受ける場合は,「1345」をダイヤルした後に,「0*」をダイヤルし,さらに「6*」をダイヤルしてください。
出典元:在大韓民国日本国大使館
韓国旅行中にコロナウイルスに感染したら海外保険は適用される?
1月28日時点で、厚生労働省は新型コロナウイルスを指定感染症と定めたため、海外保険の内容次第では、保険金の支払い対象になるようです。
参照:【自治体宛】新型コロナウイルスを指定感染症として定める等の政令等(施行通知)
ただし、保険会社や保険内容によって異なるので、必ず各保険会社へ確認するようにしましょう。
また、万が一韓国で新型コロナウイルスに感染した場合でも、韓国政府が治療費を全額負担してくれるそうです。(韓国人はもちろん、外国人も対象です)
参照:KBC WORLD RADIO『韓国政府 新型コロナウイルス治療費を全額負担へ』
飛行機やツアーはキャンセルしたらお金がかかる?
航空会社やツアー会社によってはキャンセル料がかかる場合があります。
主要航空会社の公式サイトとコロナウイルスに伴うキャンセル・変更に関するお知らせ(URL)は以下にまとめので、確認してみてください。
航空会社名 | 備考 |
---|---|
ANA | コロナウイルスに伴うキャンセル・変更に関するお知らせはこちら>>https://www.ana.co.jp/ja/jp/site-help/share/contact/ ※上記URLよりANA公式サイトに飛ぶと、ANA自動チャットにて質問が可能。 |
JAL | コロナウイルスに伴うキャンセル・変更に関するお知らせはこちら>>https://www.jal.co.jp/info/2020/inter/200124/ |
大韓航空 | コロナウイルスに伴うキャンセル・変更に関するお知らせはこちら>>https://www.koreanair.com/content/koreanair/global/ja/about/news/travel_info/2020_01_WUH.html |
アシアナ航空 | コロナウイルスに関するお知らせはこちら>>https://flyasiana.com/C/JP/JA/customer/notice/detail?id=CM202002040001195374 |
イースター航空 | コロナウイルスに伴うキャンセル・変更に関する記載はなし。 |
エアソウル | コロナウイルスに伴うキャンセル・変更に関するお知らせはこちら>>https://flyairseoul.com/CW/ja/noticeContent.do |
エアプサン | コロナウイルスに伴うキャンセル・変更に関する記載はなし。 |
ジンエアー | コロナウイルスに伴うキャンセル・変更に関する記載はなし。 |
チェジュ航空 | コロナウイルスに伴うキャンセル・変更に関する記載はなし。 |
ティーウェイ航空 | コロナウイルスに伴うキャンセル・変更に関する記載はなし。 |
韓国滞在中の今、現地でどんなことに気をつけている?
私は、常に最新情報を確認し、韓国で呼びかけられている対策方法に則っています。
(参考にしているサイトはこの後で紹介します!)
写真にも書いてありますが、韓国で推奨されている新型コロナウイルスの対策方法は以下の通りです。
- マスク着用
- 手洗い
- 咳のエチケットに気を使う
また、基本的に外出は控えており、どうしても外出しなければならない場合は人混みを避けています。
それから、多くの人が触る箇所や物はなるべく触れないようにしています。
ドアノブやタッチパネルなどに触れた後には、除菌シートや消毒液を利用したり、手洗いを念入りに行っています。
ソウル最大の繁華街である明洞(ミョンドン)の様子はどうなってる?
私は明洞には行っていませんが、上の動画が参考になるので気になる方はチェックしてみてください。
ちなみに、2020年2月14日に撮影された動画とのことですが、ソウル最大の繁華街の明洞でさえ、人がまばらです。
新型コロナウイルスに関する参考サイト一覧
韓国旅行に行く際に役立つコロナウイルス関連のサイトを以下にまとめました。
それぞれの用途も記載しているので、ぜひ参考にしてみてください。
サイト名 | 用途 |
---|---|
ソウル市公式ホームページ | 韓国の感染者数・選別診療所・感染症の問い合わせ(電話番号)・予防の心得を知ることができる。 |
日本の厚生労働省公式ホームページ | 日本や諸外国の感染情報を知ることができる。 |
日本の外務省の海外安全ホームページ | 韓国の現地大使館や領事領事館からのお知らせや海外のコロナ感染危険情報を知ることができる。 (ちなみに、たびレジに登録しておけば、随時Eメールで最新情報を受け取ることができるので、韓国旅行前に登録しておくと良いかもしれません。) |
コリアネット | 韓国が新型コロナウイルスに対して、どのように対応しているかを知ることができる。 |
コロナマップ | 韓国の感染者の行動履歴がわかる。 |
日経のコロナウイルス感染マップ | 世界の感染状況がわかる。 |
まとめ
新型コロナウイルスの感染者が急増し、日韓政府が動き出している中、韓国旅行をするのは控えた方が良いと思います。
現在韓国へ来ても、新型コロナウイルスに感染する不安がつきまとい、予防に気を使う必要があるため、120パーセント楽しめないのではないでしょうか?
事実、私は日を追うごとに不安が大きくなっていて、外出するのにも怖さを感じています。
ただし、3月3日時点で、大邱広域市及び慶尚北道清道郡以外への渡航制限は出ていませんので、韓国に行くか行かないかは自己判断です。
常に最新の情報を収集して、後悔のないように判断をしましょう。
追記:2020年3月8日に韓国へ来ました
3月9日より『韓国の日本人に対するビザ免除停止措置』が開始されると聞き、急遽、3月8日に韓国へ来ました。
この章では、3月8日の福岡国際空港と仁川国際空港の様子をお伝えしていきます。
福岡国際空港の様子
福岡国際空港には2月に比べて人が多く、搭乗手続きでの質問内容も異なりました。
以下では、航空券の発券手続きから飛行機に搭乗するまでの様子を具体的に記載していきます。
搭乗手続きカウンター
搭乗手続きカウンターには、コロナウイルスが流行する前と同じくらいの行列ができていました。
列を見る限り、日本人はかなり少なかったです。
手続き時は、今までにない質問を2つされました。
- 日本へ戻るのはいつか?
- ソウルから福岡へ戻る便はしばらくないが大丈夫か?
私の場合、韓国へ移住するので「特に問題ない」と答えましたが、隣で手続き中の方は観光ビザで短期滞在予定だったらしく困惑しているようでした。
ボディーチェックと出国審査
ボディーチェックや出国審査は今までと特に変わったことはなかったです。
出国審査に関しては、現在自動化ゲートになっている為、質問されることもありませんでした。
おそらく新型コロナウイルス対策の一環でしょう。
待合室
待合室も2月に比べると賑わっていました。
ガラガラだった免税店には人も多く、久しぶりに「空港に来たな!」という感じがしました。
飛行機内
飛行機内は満席でした。
駆け込み帰国する韓国人が多かったのではないかと思います。
韓国へ行くのにここまで不安を感じたのは初めてです。
仁川国際空港の様子
仁川国際空港も2月に比べると人が多かったです。
心配していた検疫や入国審査も変わったことはなく、通常通りに終わりました。
しかし、空港で知り合ったヨーロッパ出身の方の話によると、入国審査時に「何しに韓国へ来たのか?」と聞かれたそうです。
今までこのような質問をされたことはなかったようで、新型コロナウイルスの影響ではないかといっていました。
私は結婚ビザも一緒に提示したので、夫の名前しか聞かれませんでした。
2020年3月9日時点では韓国旅行でもビザが必須に
前回お伝えした内容から、状況が大きく変わりました。
新型コロナウイルスの問題が日韓問題にまで発展する事態へとなってしまいましたね…
3月8日まではスムーズに入国できましたが、3月9日時点では日韓共に厳しい入国制限が設けられていて、気軽に韓国へ行ける状況ではありません。
一刻も早く新型コロナウイルスの流行が落ち着き、安心して韓国旅行できる日が来ることを祈るばかりです。
今後も韓国から最新情報をお届けしていきます。